聖書メッセージ09「post-truth(ポスト真実)の時代を生きる」

第9回「post-truth(ポスト真実)の時代を生きる」

日本に「流行語大賞」があるように、オックスフォード英語辞典を出版しているイギリスのオックスフォード大学出版局は、毎年注目を集めた英単語を選んでいます。昨年、2016年に選ばれたのは「post-truth」でした。日本語に訳すと「ポスト真実」あるいは「真実の後」になります。

「ポスト真実」とは何でしょうか。定義は「世論形成において、客観的事実が、感情や個人的信念に訴えかけるより影響力を持たない状況を指す」形容詞だそうです。つまり、少し乱暴な言い方をすれば「嘘だろうと国民の感情をかきたてる言い方をすれば効果がある」ということになります。典型的な例を挙げれば、昨年6月23日に行われたイギリスが欧州連合(EU)から離脱すべきかどうか国民の意見を聞いた国民投票です。
イギリス国民はEUに「残留」するのか、それとも「離脱」するのか決断を迫られました。この国民投票はイギリスやヨーロッパのみならず世界が注目しました。EU離脱派は「イギリスはEUに毎週3億5000ポンド(約476億円)を拠出している。離脱すれば、この金を医療保険の充実に使用できる。」というキャンペーンを実施しました。「自分たちの金が吸い上げられるのを止めて、自分たちで使おう」と言って国民感情を揺さぶりましたが、投票が終わると、嘘であることが判明しました。EUに拠出した資金は、結局はイギリスに還流していたのです。離脱という結果がでたら、主張は嘘だと判明しました。まさに「真実の後」でありました。
事実を自分で確かめようともせず、自分の心を揺さぶる言説を信じてしまう。まさにこれらを信じる人々は、自分で調べることもなく、ネット上に氾濫する言説を鵜呑みにしてしまいます。「真実」よりも感動的であり、心を揺さぶるスピーチを聞きたいのです。今はイギリスのみならず世界が、そのような時代に突入しているといっても過言ではないのです。現代は大変便利な時代になりました。本屋に行かなくてもスマートフォンを利用すれば、多くの情報を簡単にすぐにかつ場所を選ばず得ることができます。しかし、膨大な情報がネット上に氾濫しており、時として、何が真実なのか分からなくなり、混乱してしまうことがあるのではないでしょうか。

さて、イエス・キリストはあるとき、このように言われました。

“求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。だれであれ、求める者は受け、捜す者は見つけ出し、たたく者には開かれます。”(マタイの福音書7:7,8)

私たちはいったいどこから来て、死んだらどこへ行くのでしょう?また、私たちは何のために生きているのでしょう? こうした人生の根本的な問いに答えることができるでしょうか?人間はこの問いの答えなしに、真の心の平安を得ることはできません。聖書は私たちに、都合の良い情報だけを収集するのではなく、真実を求めることを勧めています。なぜなら、それは私たちの永遠をも左右する事柄だからです。

聖書は上記の問いについてはっきりと答えています。
人は進化により偶然発生したものではなく、唯一まことの神様によって最高傑作として創造されました。そして人は神様に愛され、神様と豊かに交わりをするために創造されました。しかし、人は神様から迷い出て、神様を無視して、自分勝手に生きるようになりました。これを聖書では“罪”と呼んでいます。この罪こそが、人の不幸の根源であると告げています。罪ある者は、死後、神様からのさばきを受けることが定まっています。これは大変恐ろしいもので、永遠に継続するもののとされています。また残念ながら、全ての人が罪人であると宣言しているのです。
しかし、御子イエス・キリストが、私たちの罪の身代わりとして今から約2千年前に十字架に架かって下さり、3日目に復活してくださいました。イエス・キリストを救い主として受け入れる者は誰でも、罪が赦され永遠の天国に行くことが約束されています。これが、聖書が伝える福音(グッドニュース)であり、全ての人が知るべき真実であります。
聖書は必ずしも、耳障りの良い言葉ばかりではありません。しかし、聖書のみことばこそ、私たちが求めるべき、「真実」であります。「post-truth」の時代を生きる私たちは、もう一度、「真実」を求めてはいかがでしょうか。

“私(イエス・キリスト)が道であり、真理(truth)であり、いのちなのです。私を通してでなければ、だれ一人父のみもと(天国)に来ることはありません、”(ヨハネの福音書14:6)

大津キリスト集会では、聖書から真理(truth)をわかりやすくお話しています。現在マタイの福音書からイエス・キリストを紹介しています。どなたでもお気軽にお越し下さい。お待ちしています。

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